
2023年04月30日
北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[ポスト英国EU離脱 アイルランド漁業 魚価高が生産減を覆い隠す]
アイルランド漁業の英国EU離脱による生産減の実態が、魚価高により見えにくくなっている。
昨年2022年、漁業生産額が14%、養殖生産額が10%、それぞれ前年比で増加し、水産分野の生産額は13億ユーロ(14億ドル)に達した。
また、新型コロナウイルスからの回復が続き、国内水産物消費量も13.5%増加し4億7,500万ユーロ (5億 2,100万ドル) となった。
しかし、一方でアイルランド漁業の漁獲量は英国のEU離脱の影響を受け17%減少した現実が存在している。
英国のEU離脱による漁獲割当の譲渡は、2021年から開始されており、2026年半ばまで実行される。
譲渡のプロセスは(括弧内は全体に対する比率)次のとおりとなる。
2021年:60%(15.0%) 2022年:70%(17.5%) 2023年:80%(20.0%) 2024年:92%(23.0%)
2025年:100%(25.0%)
非TAC魚種については、2012年から2016年の間に記録された平均漁獲量をベースに、2026年半ばまでに制限されることになっている。