ロシア漁業ニュースヘッドライン

北海道機船漁業協同組合連合会 一般社団法人北洋開発協会

ロシア極東漁業はイカ釣り操業に挑む


2019年04月10日
北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[ロシア極東漁業はイカ釣り操業に挑む]
全ロシア海洋漁業研究所ヴニロ太平洋支部チンロの研究者は、“Восток-1”(ヴォストーク1)社所属で、新たに極東海域でイカ釣り操業を行う“Восток-8”(ヴォストーク8)を訪船、装備等に関する情報を共有した。
“Восток-8”はイカ釣り漁業のための集魚灯、新鋭の漁労機器を装備している。
極東海域におけるスルメイカはロシア漁業にとって最も不満足な開発にとどまっている資源となっており、近年、勧告された漁獲量の10%-20%程度しか生産されていない。
この原因は専門化された船団が組織されてこなかったことで、資源が集約されるドスイカと比較してスルメイカの魚群はまばらであり、サハリン南西部と南クリールを除きトロール漁業での生産性は低い。
従って、他の海域での操業では、釣り漁法が求められている。
“Восток-1”社は、北太平洋の公海部分でアカイカ操業を開始し、夏から秋にかけて日本海スルメイカ操業を行うことになる。
なお、チンロの研究者は今年2019年、極東海域でドスイカ15万トン、スルメイカ9万トン、そしてアカイカ3万トンの漁獲を勧告している。